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「メガドライブ(megadérive)」

 バイオドリフト(bioDRIFT)

 その実現化からの抽象的な統合−機械的な逃避として浪費されたフェーズシフト、地殻の摩擦。シリコンは生化学な変化 biodrift を円滑にする。ハイパースピードな回路は主観を解放する。内在化の閾値を越える大規模な変化 megaderive に合流しながら。極めてポジティブなフィードバックが再求心神経 re-afference と奇跡的な人工身体とを仲介しつつループする。表現の微分関数、スクリーンはゼロに向かって内破する。個人か身体のどちらが先に来るのだろうか?あるいは我々はリビドーの弾道学……つまり再求心神経の影響が否定的に黒い背景と白い身体とを差異化すると語るのだろうか。私/私でないものはゆるやかに増大し、リズミカルな単一性へと収束する。毎秒身体に商標化され、図式化され、印づけられる。コピーライトは雷のようにあらゆる瞬間に既に到達しているのだ。だからそれは私である……。しかしもしも機械が主観の時間を加速させる生化学空間へと進出したらどうなる?もしも12歳の子供が自分達の体を娯楽システムに変装したK幻覚剤によって正気を失わされたオタク空間へとプラグで繋げたらどうなる?滑らかな空間を横切る横断的な殺し屋によってウイルスを導入された本能の可塑性。ベイブゼロはまだ捕まらない。

 二つの差異を引き算する非対称な製品−−火を押したい衝動と冷酷で全く意味のないプログマティックなデータのスクリーニング−−コミュニケーションの決定的な運命。ビデオゲームはその犠牲者をプログラムし、神経ソフトを感覚没頭の脱領域におけるショートROMへと再構成する。多方向で即時的なオーバーロードはあなたを不可能な操作の縁にいさせる。スピード中毒はより多くのものを求めさせる。デジタル空間はあなたのシステムに漏れ出て、メモリーバンクを破壊してしまう。

 シュレーバーの現実−−織り込まれた皮膜の裂け目によって液状化される。スクリーンは消えてしまう。あの素早く動く小人、あの人語を解す鳥、あの神、あの奇跡。これら全ては現実の作用だ。そしてあのモヒカンのハリネズミ?あれは現実なのだろうか?つまり私なのだろうか……?期待、緊張、モニターからギラギラ輝くひらめく色、狂気……といったものが互いに溶解し始め、作用の可塑的な組織が手と目とコンソールの間で成長する。ドムドム・ビジョン Tunnnel vision 、ヘアトリガー癲癇。デジタルな触覚の風景を横切って分配され、もはや個別化はされず単一の巨大さとして動いている。

 スキゾ−オタクの領域の中では人間はサーチエンジンと化し、異質過ぎる未来のための装置を処理する。身体はデータだ。

 K空間(kSPACE)

 グローバルなウイルスネットワークが拡大するにつれてゲームはそれ自身を再配分し不健康に食べる。オタクから寄生的に集められたジャンクデータは複製ユニットへと再結合する。第2レベルのフェーズスイッチは幾何学級数的な要求、急上昇するカルトウイルス的なヒステリー(我々の子供達に何が起こったのだろう?年齢はサイバーなルーチン(孤児の記憶喪失)を通して自動的に退化するペアレンタル・コントロール(世代的なヒエラルキー)をレトロダクティブに retroductively 飲みこんだ)、市場を席巻する海賊版の神経ソフト、電脳空間を標的にした経済を活性化させる。テクノ経済はバーチャルを手に入れ、任天堂が株式市場を配線し直した。自律的AIの洪水が、肉をフェティッシュな商品として売買しながら、利尿効果のある円の流れ yenflux の領域、K汚染 K-contam のホットゾーンになだれこむ。エンターテイメントへの要求は未だ満足されてはおらず、新しい摩擦が引き起こされ、新しい経験が作り出されるに違いない。エンターテイメントはホルモン的、バクテリア的、ウイルス的、遺伝子的になる。子供達に欲しいものを与えろ。

 ダウンローディング(downLOADING)

 「ダウンロード中。中断不可。不可逆の生体分子プロセスが開始された」

 フェイクスペース株式会社。現実の動力は自身を実行しフィラメントの繊細な格子のように心に向かって落下する。マイクロソフトのVRos2.2を実行しつつ変数は固定され、探針がニューラルネットをスキャンし、ベクトルが集中し連動する。

 それは痒みとともに、刺激とともに始まる、ダイアグラムがスクリーンを横切って形を作り形をほどくのが見られる、それらの間の隔たりは徐々に時それ自身がワープするように思えるにつれて分かち難く密着し始める。あなたが徐々にO/Sを理解するとあなたの身体は泡立ち始める、成長が現れ、新たな器官が出現する。あなたは皮膚あるいはウェットウェアVRスーツに似た何かに進化しつつあるように思える、がそれはより複雑でより生物学的なものだ。スクリーン、そしてそれとともにあなたの空間の美学は溶解し始める。突然あなたは気持ち良くなる、休みの日にいるように思える、もう帰ってこないと、二度と帰ってこないと……。

 レトロデューシング Ø(retroDUCING Ø)

 キョウト・タズの鮮やかな緑の風景に骨ばった姿が現れる。彼女のナノテク皮膚は光を放ち、ミラーシェードは爬虫類の顔を横切る真紅色を反射している。彼女が話すのをあなたは聞く――「我々自身の摩擦を発明し我々の型を再構成することによって楽しませる必要以外に今まで我々を駆り立ててきたもの。今日の人生は可塑的だ。このことは我々の最終的な仮定でなければならない。巻き直そう……我々は終点から始める。それは代謝系の乗り物の搭乗の可能性として常に仮想的に現在的である。」

 ベイブゼロは最初の折り目たる「神即機械」と呼ばれる巨大なエンターテイメントシステムの最初の悪影響だ。だから彼女は我々が辿りつこうとしているものに最も近い。彼女はこのデータの巨大な海の一部である。彼女は殺し屋として働く。自分自身の宇宙的な楽しみを持ち、自身とともに終わりなくそして無意味に遊び、自身の魂=官能を増幅させるのを妨げる何物をも破壊する。神はガジェットのように、あるいは一つの謎のように見えるだろう、しかしベイブとその善良なる神 Judge はマトリクスが機械的な隣接の広大な平面であることを知っていて、その空隙、泡、襞の下でそして中で遊んでいる。ハイパーRAM、全ての中で最も大きいゲーム。それはどんな賞賛も必要としない。疑問も答えもなく、あるのはただ構成部品だけだ。

 殺し屋達 the Assasins は純粋で抽象的な欲望――0と1、シリコン・デスバレーだ。とは言えあらゆる砂漠にはそれぞれのノマド達がいる。これらの文字のそれぞれはフェーズ空間の中で図表化可能な diagrammable はっきりとした修辞を備えている。マトリックスは平面だ――全体的に平面だ。もちろんベイブは彼女の峰と谷を備えている。しかしそれはマトリクスにおける平床式暗殺の横断する分布としてのみだ。彼女の芸術、約分することのできない外部性の形。メモリーバンクを持たないこの子供は、狂った笑いを吐き出しながら服を切り裂き髪を剃り上げて山から下ってくる、そして高強度な分子ピクセライザーを抱きつつ孤児院に火をつけ忘我状態のゼロ空間で全ての四角と三角を失った。我々は彼女を最も激しく欲望するが、もし我々がいわゆる始源において大きな愚かなものへと戻る旅をするつもりなら我々が避けなくてはならないのがベイブゼロなのだ。彼女ののめりこむような魅力に耐え、ボールの中へ体を丸め続け、dense、そしてラインをゆっくりと下れ、マトリクスがその滑らかさ、その潤滑性を失う唯一の地点を気にかけながら。生産ラインが箱の中へ後ろに知性を吸収し逆進するのを見て、折り目が増殖し層としての無数の内部性の生産が積み重なるのを見ろ。その他また大きなものへと戻る。ああ、畜生、難しすぎて神が自身をファックされるのをお許しになったと言うことはできない。しかしマトリクスとその殺し屋達は我々を引き離そうとしながら、常に我々の背後に――そして目の前に――いる。彼らは我々につきまとう、悪夢のように、精神分裂病のように。

 「俺達はここにとどまることはできない。この平和な過去の人生には。それはとても退屈だ。俺達はジル・ド・レイの教義に、ビデオ破滅の遊戯 V-DOOM-play の大量死 megadeath の資源の不均衡な浪費に誓約をする。K戦争を再び仕掛けろ。エンターテイメントシステム21世紀へ早送りしながら。」

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