「デジタル・ゴースト」
-白鳥健次『GIMMICK:』レビュー-
桜井夕也

テクノとジャンクが融合した街で俺は生まれた。そこでは人間達はクローンやサイボーグと成り果て、ペストやエイズの代わりにワームやウイルスに苦しんでいた。デジタルなアダムとイブの……ディストピア。それは偽りの楽園で、俺達を機械仕掛けのGIMMICKに罠をかける。メガバイトの死がこの20XXの聖書には載っている。テクノワールなデジタル・ゴースト。ユバー・インダストリアルへと変異した白鳥健次のロマネスク。まるで頭の中にインストールした音楽を聴いてるみたいに欲望と快楽をLOADする。サイバーなCREATUREが蠢き、俺達は『AKIRA』の荒廃した未来と『MATRIX』のサイバーな快楽を、最先端にアップデートしたサイバーパンク・ドラッグを見る。そう、これはサイバーパンクとカットアップの、さらにその先にある何かだ。200GBのデジタル・ゴースト。幻覚は全てを語る。「全てが終わった後、『GIMMICK:』が始まる……」。


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