「月食症」


月食症の悪夢が奇形の胎児をHAKENKREUZの幻覚へと誘(いざな)う俺はVogue AROMEの青白い煙から透けて見える『月』をjamais-vuする原罪をDejavuしろと囁き続けるgefallener Engelは俺の卍の刺青(TATTOO)をBAD TRIPする生ゴミと漢方の融合した街東京で俺はZEISS IKON越しに歌舞伎町の超資本主義めいた死亡遊戯を薄く笑いながら眺めてる氷青をOVERDOSEした俺は胸を卍に切り刻むけどそれは何のレゾンデートルにもなりはしない19XX東京は青白く燃えている

俺の死を看取るのは世界一美しい蛾、大水青(おおみずあお)

世紀末を原罪する"俺達には天国へ行くための羽根がない"はクロームな夜に冷たいエグゾーストを吐き出すけど堕天使は卍に嘲笑(わら)うだけ

死の接吻

[たとえ偽物の翼でも]//:SYSTEM ERROR……

天国へ行くための羽根は再び生えるのか


作者後記
2008年6月3日(火)、mixiにてRYONAIがBLAM HONEYの再構築を発表した。
そこで彼は自らが重症筋無力症に罹りBLAM HONEYの活動を停止したこと、またBLAM HONEYのパートナーであるTATSUYAが急性白血病で4年前に亡くなっていたことを明かした。
その文章にどんな感銘を受けたか。
俺がRYONAIの文章にインスピレーションを受けて、何かに取り憑かれたように書き上げたのがこの「月食症」だ。
新たなVogueへと、BRAND NEW MADNESSへと、疾走しろ。
月食症を起こせ。

2008年6月3日 桜井夕也

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